月夜にヒトリゴト

結婚

私は、生まれて初めて付き合った人と、20歳で結婚した。
“若いママ”に憧れ、早く結婚したいと常々考えていたから、家族も反対することなく、すんなりとことは進んだ。

私の結婚を、まだ大学生だった圭亮は、さっちゃんから聞いたらしい。
いつかは告白するんだと、心に決めていたらしい圭亮。
数日立ち直れなかったという。

その後の私は、なかなか子どもにも恵まれず、長く辛い日々を送っていた。
やっと子どもを授かったのが5年後・・・
その頃には旦那は、週末、家にいなくて、自分の趣味を最優先するのが当たり前の生活になっていた。
まだその頃は、地元にいたので、両親が何くれと世話をしてくれたこともあり、年子の子育ても何とかやってこれたが、旦那は父親としては失格の人だった。

幼い頃から、週末は家族で公園に出かけたり、温泉に立ち寄ったりしたいと強い憧れを持っていた。
年若く結婚したのも、そんな家庭で“幸せ”を望んだからだった。
順調に手に入ったと思った夢は、早くも崩れていた。

子どもが生まれた夜にも、飲みに出かけてしまう旦那。
毎晩のように、趣味の時間を過ごす旦那。
仕事から帰ってきても、その足で出かけてしまう。
幼い子どもを二人、お風呂にいれ、夕飯を済ませて、寝かしつける。
一日中、旦那以外とは話しをしない日々が続いた。
「いってらっしゃい」から「おかえりなさい」まで、誰とも話さない日々。
誰にも会わない日々。
鬱々とした時間を埋めるように、実家に帰って過ごす時間が増えていった。

そう、私の苦悩の始まりは、そんな生活からだった。



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