私の敵は『俺様』です。
校則第十四条、一秒で覚えました。

『俺様』



『新入生諸君、入学おめでとう。
今日から君たちは桜華学園の生徒じゃ。
学校のルールを正しく守り、実のある高校生活を送るように。
そして、わしには孫がおる。
桜華学園第二学年Aクラスの杞憂 葵、ソイツがわしの孫じゃ。
くれぐれも逆らわぬように。
逆らえば―――…
退学じゃ。』


その言葉が聞こえた瞬間、あたしは飛び起きた。


うっかり、入学式早々校長先生の話の途中でうたた寝しちゃってたワケだけど。


今、この校長先生――…


孫の杞憂 葵っていう人に逆らえば退学って言った!?


『葵はのぅ、それはそれは良い孫でなぁ。
成績優秀、容姿も黒猫を思わせるかのような――』


とにかく、今聞いた話で校長先生が杞憂 葵さんを溺愛してることは理解した。


そして心に決めたことが一つ。


絶対に杞憂 葵さんに関わらないようにしよう。


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