学校トランプ
卒業できない…

生きて帰れない…

そんなことを考えると、涙腺が弱くなる。

ごしっ

夏帆は袖で涙を拭った。

カチ…カチ…カチ…

美術室から聞こえる時計の音。


「うち、トイレ…行くね」


あおいは哀しげな瞳で言った。


「あたしも行くよ」


優梨はあおいのことが心配だから、トイレまで一緒に行くことにした。


「気を付けろよ」


「うん…もし、あたしの身に――ううん、何でもない。ごめんね」


優梨は無理に笑顔を作った。

心配だよ――

でも、小結も心配だから…


「あおい、行こう?」


こくん

あおいは頷いて、歩き始めた。


「もう、死なせたくない…」


弱音は吐けば吐くほど大きくなる。

不安も、恐怖も――


「「キャァァァァ――――ッ」」


トイレの方から優梨とあおいの悲鳴が聞こえた。

「嘘…行こう!!」


夏帆たちは4人でトイレまで走った。


「俺…入っても…緊急事態!!」


龍は勢いよく女子トイレに入った。


「嫌…」


優梨とあおいは後ずさりをする。
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