ダーリンは吸血鬼!?


「桐ッッ……―」


アタシの言葉を遮るように桐夜は


「黙って聞いてろ。
説明なら後でする。」



と言った。



アタシは今すぐ何もかも聞きたい事が


たくさんあったけれど




アタシはこらえて口を



つぐんだ。



その様子を見計らってローズは


表情をピクリとも変えずに


「へぇ、そうなの。」



飄々とした態度で言い放つ。



ローズは桐夜の返事を
待つわけでもなく話を続ける。



「―で、それなりの覚悟はできてるんでしょ?」




これまでの態度とは一変して
なぜだか切なげな顔をしていた。


よく聞いてみるとわずかだが
声が震えている。



桐夜の真剣さとローズの
様子でよく分かる。


これは―
この先に待っているものは
幸せなんかじゃない。

手を伸ばしても
届かなくて…


私は途中で諦めてしまうんじゃないかって



思ってしまったんだ…
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