隣の星の新くん




「綺麗だね」



「うん、春で一番好き」



アラタはふわっと笑うと、嬉しそうにまた桜を見る



好きなものを見るアラタを見るのが好き



桜、若葉、風、野原、川原



アラタの好きなものはたくさんあって、それを一緒に見ようといつも誘ってくれる



ふとした瞬間にも心を留めるアラタを見てると、あたしもと探すようになった



同じものを見たくて



同じものを感じたくて



考え事をしていると、アラタがこっちを向いているのに気づいた



「どうしたの?」



「うーん・・・」



何でか一人唸っていて、首を傾げるしかない



しばらく待ってみても、何の返答もないから立ち上がりその辺りをぶらつく




何を悩んでるんだか



「真緒さん」



いつの間にやらアラタが隣に居て、“さん”なんて珍しい呼び方をしてくる













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