。*王子たちの恋姫*゚
「あんた、名前は?」
「は…」
うつむくあたしに、彼は笑顔でこう言った。
…この笑顔は偽物?
すぐに気がついた。
あたしは今とんでもないことをしてしまった、ということに。
王子を怒らせてしまったということに。
「あ、あたしは別に…」
「教えてよ。『王子』に刃向かった、あんたの名前」
爽やかな見た目とは裏腹の、挑発的な目。
あたしが焦っていると、今まで何も言わなかった氷の王子が口を開く。
「天宮結衣、一年生」
「あ…」
やばいっ!
そう思った瞬間、あたしは俯いたままの彼女の腕を掴んだ。
「し、失礼しますっ!」
王子が何かをいう前に、逃げたかった。
あたしは彼女を引っ張ると、走ってカフェを出た。
.