。*王子たちの恋姫*゚
「はぁっ…はぁ…」
あれから、
走って走って誰もいない廊下までたどり着いた。
…もう、ここでいいかな。
ちらりと、引っ張って走ってきた彼女のことをみる。
あたしと同じように、息を切らしているみたい。
「あの…大丈夫ですか?」
下を向いたまま息を整えている彼女に話しかけてみる。
「……よっ…」
「え?…何て?」
「…なんで邪魔するのよっ!」
……?
しばらく、思考が停止した。
だって、あたしはこの子を助けただけで
この子は困ってたわけで…
…本当に困ってた…?
「あれ、わざとだったんですか!?」
「そうよ、悪い!?」
やっぱり。
王子の側を通ったのも、王子に水をかけたのも
みんなわざと…
「王子って女子と話さないし。
ああでもしないと王子とお近づきになれないわ」
「はぁ…」
驚いたぁ…
そうまでして、王子と話したかったの?
じゃあ、あたしはただこの人の邪魔をしただけってこと?
それだけじゃ、ない。
「迷惑な女ね!あたしよりあんたの方が目立っちゃったじゃない!」
目立った、じゃなくて
『目をつけられた』だよね…
呆然としているあたしを睨んで、彼女は怒りながら去っていった。
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