秘密のお勉強会

「それじゃあ残り5分、さっきの問題をもう一度やるね。」

さっきは、不安でいっぱいだった。
でも、今は自信一杯に、取り組む事ができる。
そんな私がすごく不思議で、それでも嫌じゃなくて、どんどん過程の式を書いていった。

「終わりました。」

時計を見ると、3分で解けてしまったことに驚く。
隣で丸つけをしている雅人さんを、ドキドキしながらまった。



「4問中、3問正解だよ、結菜ちゃん。
最後の1問は、符号の書き忘れだけ。

ここまで成長する子は、中々いないよ。
おめでとう、結菜ちゃん。」

「っ、」

凄く、嬉しかった。
今まで悪い点数しか取ったことのない私は、家族以外で褒めてもらうなんて、無かった。

もしかしたら、雅人さんは色んな人に同じ事を言っているかもしれないでも、私は嬉しくて、嬉しくて、涙がでそうになった。


「……30分たったな。
俺に交代だ。」

流れそうになった涙は横から来た雄二さんに見事止められ、雄二さんが手に持っているのを見て、ある意味涙が出そうになった。



「俺はスパルタ指導だから、覚悟しておけよ?」

パシンと、雄二さんの持ったハリセンが音を立てた―――
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