そのコップは空(ソラ)だった。




だけどな、ソラは待っていてくれなかった。



何年も何十年も待ってくれなかった。





突然、連れてこらされたのは葬式。






昨日の昨日まで、ソラとテスト勉強をやっていたのに。


もぅテストでやり終えた場所を参考書を広げて問題を出し合った。




意味ない事、


でも、ソラに会う口実。



ソラはちょっと顔色が悪かったけど


楽しそうに笑っていた。





そして、俺はちゃんと伝えたんだよ、そのとき。




「好き」って



「大好き」って。




ソラも言ってくれた。




初めて心が通ったように感じた。





それなのに今日はなんなんだよ。





なんで俺は制服を着て


一本の菊の花を持ってるんだよ。






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