そのコップは空(ソラ)だった。
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キンモクセイのにおいがする。
ソラのにおいだ。
「ごめんな。こんなところに付き合わせて。」
「こんなとことはなんだよ!!ソラさんが悲しむぞ!!」
杉浦は相変わらずだった。
俺はソラの墓の前に立ち、線香をあげた。
ソラが死んで初めてここへ来た。
そのせいで少し手が震える。
そして、先ほど杉浦との買い物で買った
イチゴ柄のコップを置いた。
そのコップにはいっぱいの水。
もうからっぽじゃないよ。