そのコップは空(ソラ)だった。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄


キンモクセイのにおいがする。



ソラのにおいだ。




「ごめんな。こんなところに付き合わせて。」


「こんなとことはなんだよ!!ソラさんが悲しむぞ!!」



杉浦は相変わらずだった。



俺はソラの墓の前に立ち、線香をあげた。



ソラが死んで初めてここへ来た。



そのせいで少し手が震える。




そして、先ほど杉浦との買い物で買った


イチゴ柄のコップを置いた。



そのコップにはいっぱいの水。





もうからっぽじゃないよ。






< 70 / 258 >

この作品をシェア

pagetop