そのコップは空(ソラ)だった。



「花あげないのか?」


杉浦は手に持つ花束を俺に差し出す。



コップの隣には花瓶が置いてある。



「花瓶じゃなくてコップに差していいか?」


「いいと思うぜ。」



そのとき


風が吹き



キンモクセイが舞う。




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