流れ星
いつも香織の方ばかりだった。
‘好き’も‘愛してる’も一回でも言われたことがあっただろうか?
―――なかった。
「ねぇ、聞いてんの、良太ぁ…」
強気な事が取り柄の香織の目にも涙が浮かんでいた。
やばい、泣きそうになる…
好きじゃなんて強がりだったという事に気づいた。
本当は今だって大好き。
でも、良太は違う?
「何?」
良太が呟く。
でも、その目の行き先はケータイの画面。
「良太はさぁ…」
一息ついた。
香織は心の中で小さく決心した。
もしこれで良太が頷かなかったら…
「あたしの事好き?」