俺様のち王子。[完]



保健室にたどり着き、
唯をベッドに寝かせた。

保健室には誰も居ないみたいだ。


しばらく唯の様子を見ていたが、ビクともしないから心配になってきた頃、


先生が入って来て

「あ、神谷クン。ごめんなさいね。ちょっと暇だったからお散歩してたのよね。」


なんて呑気な先生だ。


「あら、あなたじゃなくて、楠木さん?」


「ボールが頭に当たって、今失神してるみたいです。」


「ふーん。神谷クンが女ね~。他の子にはこんな事しないのにね、」


………確かに今までの俺は、女は遊ぶための道具。だから面倒なことはしない主義だったのに、今回は違った。



体が勝手に動いてたんだ。



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