特等席はアナタの隣。
午前中、部屋でまったり過ごしたあと、昼メシは何か作ると言うモカと一緒に近所のスーパーへ行った。


カゴを持ち、何にしようかと楽しそうに食材を選ぶモカの後ろ姿を見つめる。


……なんかすげぇ幸せだ。自然と頬が緩む。



「ね、何が食べたい?」

にっこり笑って振り返るモカに近寄り、耳元に顔を近付けた。



「……モカが食べたい」


持っていたじゃがいもをゴトッと落とし、真っ赤になって固まったモカに笑った。


今朝、あんなに翻弄させられた仕返しだ。

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