Bitter&Sweet




「あの話?」


姫は昨日
オレに話があったのか?



「いや、特に
何も聞いてないよ」


「そっか……」


なんだ、話って


「あのね………」


イヤな話だったら
どうしよう


例えば
好きな男ができたとか
彼氏ができたとか


ドクドクドクドク………
不安で胸が苦しい


そんなオレに気付かず
姫は言葉を続けた



「お兄ちゃん」


嫌だ
他の男なんかに
姫を渡したくない



「お兄ちゃん覚えてる?
私とした約束」



「…………え?」


約束?
予想外な言葉に
間抜けな声が出た



「約束って?」


「ほら、春に約束したでしょ
夏期休暇、
キャンプしようって」


「……キャンプ…」


そういえば、したな
うん、した
旅行しようって言ったら
姫がテントはって
キャンプしたいって



「楽しみにしてるんだから
ちゃんと守ってねって
昨日、言いたかったの」



「……あ……ああ、もちろん
必ず連れて行くよ」


「絶対だよぉ?」


そう言って
上目遣いでオレを見る姫に
ホ――――――ッと
胸を撫で下ろす



良かった
まだ大丈夫だ


………まだ大丈夫……


でも、いつまで?
いつまで大丈夫?



……女々しい男だな
カッコ悪………





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