Bitter&Sweet



「私は母が幸せだったと思えない」



まぁ、そうだろうね

オレはグラスに口をつけると



「私はちゃんと妻として結婚できるなら、何でも出来ます」


「あの、美紅さん?」


「はい」


「あなたの話は少し極端過ぎませんか?」


「どうして?」


「あなたが自分の母親を不幸と感じるのは仕方ない事でしょう。

だけど、だからって母親と逆の立場になろうとしなくても

ただ普通に恋愛して幸せになればいいのでは?」



「まぁ」って美紅さんは喜んで


「翠さん、私と恋愛してくださるの?」

えぇっ。そう来るか!?


驚いたオレは思わず


「いえ、無理です」と言っていた



「やっぱり、お付き合いしてる方がいらっしゃるのね」


美紅さんはしょんぼり目を伏せた



「……あ、いや、その………」



もう面倒になって



「すみません。心に決めた人がいます。
オレはその人以外、受け入れられません」



美紅さんは
「ふふっ」て微笑み



「わかりますわ。翠さん
私も同じですもの」


「え?」



美紅さんは不敵な笑みを浮かべ



「私も翠さんって心に決めたんです」




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