吸血鬼と紅き石
己の迂闊さに舌打ちでもしたい気分で、レンバルトは目の前の女に問い掛ける。
「…あら、どこかしら?」
灰霧の王の異名を持つレンバルトを前に、極上の女から返るのは余裕の答え。
「…チッ、じゃあ力尽くででも答えて貰おうじゃねェか」
レンバルトは闘いに備えて、掌に光を宿す。
「あら。貴方に惚れている女に刃を向ける気なの?」
酷いじゃない、と女が笑む。
「それとも…あの娘が心配?」
言葉の響きと表情に、嘲るような色が込められる。
「“灰霧の王”ともあろうお方が、下賤な人間の女に現を抜かすなど滑稽でしかないわ」
レンバルト同様光を宿した女の手には、その力を凝縮させた光剣が握られる。
「…あら、どこかしら?」
灰霧の王の異名を持つレンバルトを前に、極上の女から返るのは余裕の答え。
「…チッ、じゃあ力尽くででも答えて貰おうじゃねェか」
レンバルトは闘いに備えて、掌に光を宿す。
「あら。貴方に惚れている女に刃を向ける気なの?」
酷いじゃない、と女が笑む。
「それとも…あの娘が心配?」
言葉の響きと表情に、嘲るような色が込められる。
「“灰霧の王”ともあろうお方が、下賤な人間の女に現を抜かすなど滑稽でしかないわ」
レンバルト同様光を宿した女の手には、その力を凝縮させた光剣が握られる。