吸血鬼と紅き石
第十四章

嘲り

「ぎりぎり合格、ってとこか」

背後のリイエンにそんな傲慢な台詞を吐きながら、現れたレンバルトはその輝きで闇を払っていく。

リイエンは急に現れた青年の背中を驚いて見つめた。

後ろ姿だけで分かる。

リイエンは青年が来た事以外何一つ事態は変わっていないのに、不思議と自分が安心するのを感じた。

(来てくれた)

自分の呼び声に応えてくれた。

面倒だと、見放しもせず。



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