吸血鬼と紅き石
「お姉ちゃん、コレ見て、コレ!」

得意満面、ターニャが部屋の中央にあるテーブルに近付いて、その上を指差す。

リイエンが近付いて、その上を見てみれば。

「…何、これ?」

そこには赤い――いや、紅い石があった。

拳大の、部屋の照明を浴びて鈍く光るそれを、何となく嫌な予感を覚えながらもリイエンの指が持ち上げる。

掌に乗せた石は重いような、軽いような…不思議な重さ。

血のように光るそれに、不吉な印象を覚える。

「…これ、まさか…」

(紅き石――?)


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