Sで俺様な彼氏

「しっかり掴まってろよ!」

掴まれって言ったってどこ掴まれば…

「あの…」

「ん?」

私の言葉にわざわざ手を止めて話を聞いてくれた

「どこに掴まれば…いいんですか?」

私の言葉にその人は吹き出して笑い転げた

「もしかして彼氏いない?」

涙をこらえながら、必死に問いかけてくる

「はい…」

「そっかそっか俺の腰に手を回せばいいよ」

「こう…ですか?」

「もっとしっかり」

その人は思いっきり私の腕を自分の腰にしっかり回して「大丈夫?」と声をかけて自転車をこぎだした。

ちょ、近い~!

近いと思っていても、この腕を弱めたくないという気持ちはなんだろう。

それよりかさっきよりも強く抱きしめた

そんな自分に照れながら、その人の広い背中に頬をぴったりくっつけて人の体温を自分の肌で感じていた
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