どくんどくん2 ~あの空の向こう~
「本当は彼女も生みたかったんだろうな。でも、君に拒否されたくなくて自分から生まないと言って、君の気持ちを確かめたかったのかもな。」
僕は、その彼女とユキを重ねていた。
僕の心の中には、大好きなユキの笑顔が大きく存在していた。
「うん。俺もそう思った。だから、自分の不安は隠して、自信満々にプロポーズしたんだ。」
「やるな・・・。僕よりずっと大人だ。」
そのまま、いつのまにか眠ってしまった僕と寛太は、毎晩そんな話をした。
僕は、寛太に教えられた。
・・・・しばらく会わないほうがいいと言ったユキも、僕を試していたのかもしれない。
僕の愛を確かめたかったんじゃないか?
僕は、ユキの態度ばかり責めたけど、僕も相当ユキに辛く当たっていたことを思い出した。
ユキのことを思って、文句も言わず会えない日々を我慢したけど、ユキにそれが伝わってたのか?
会えなくても平気なんだ、って誤解してた可能性もあるじゃないか。
ユキに、もっとわがまま言えば良かった。
一日ぐらい僕の為に空けて、と素直に言えば良かった。
ユキにとって、物分かりの良い彼氏になり過ぎていた。
ユキ、君は今僕を想ってる?
僕は、勝手に悩んで勝手に妄想して、関西人タケといい感じなんだと思い込んでいる。
実際、確かめたわけじゃないのに。