切ナクテ、恋シイ、ヒト。
・・・いつもの彼だ。
あのときのこと
怒ってないんだろうか。
彼は悪くないし
謝るべきはアタシのほうなんだけど。
でも何から話していいのかわからなくて。
「あ・・・あの今日はノートをもらいにきただけであって・・・。
その、・・・それにしてもどこの学校も準備室って不気味やねぇ」
アタシは周りにある標本を眺めながらなんとなく言った。
「ほらっ!そこ!」
突然、伊勢田くんが指を差して叫んだ。
「きゃあっ!」
思わずアタシは彼に抱きついてしまった。