切ナクテ、恋シイ、ヒト。
どうしよう。
今から走っても
もう追いつかない・・・。
アタシは優を引きとめようと
窓から体を乗り出して大声で呼んだ。
「優っ!!」
アタシの大きな声は
反対側の管理棟にまで反射するくらいだった。
彼と津志田くんはアタシの声に気づいてこっちを見上げた。
そして優はズボンのポケットに手を入れたままアタシのほうを見て笑った。
淋しそうな笑顔で。
違う、違う。
待って!
津志田くんが優の肩を叩いて先に歩き出した。