季刊『お屋敷ハンター』
 沈黙。

するわな、そりゃ。


集中てオマエ……集中しすぎだ。

直径一メートルほどの円の中にざかざか降っている水を口を開けて見つめていたミヨちゃん、跳ねた一滴が口にとび込んだことで我に返る。


どこから来た水なんだ。
生きてる、からいいとして、いいか、ここは。


「あぁのね、あたしも暇じゃないのね。大した用がないんだったら消えてくれる? 邪魔よ、邪魔。こっちは忙しいんだから」

 聞くと、小娘は(なんてこった、文字通りじゃん)幼稚園児らしくわっかりやすくぷっとほっぺた膨らませ、


「なによ人のこと起こしておいてー。精霊を呼び出しておいてお願いごとをしないなんて、ぜったいにやっちゃいけないことなのよぉっ」
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