季刊『お屋敷ハンター』
「あぁ、ハイ。じゃあ雨。次晴れ。それでまた雨にして。ハイハイ、おしまい。お疲れさんです、セイレイさん」

「あんたなんかあんたなんかーッ、願いもないのに精霊の眠りを醒ました罰を受けるといいわぁ。ええいっ」



しーん。(何度目だ……)


 伸ばしたオレの手は間抜けだった。

なんだろうと弾き飛ばそうと待ち受けて広げた手を、オレはしみじみ見てしまう。

なんだろうと何一つ、当たるものなどなかったわけだ。


「なによ、なんにも起きないじゃない。ほぉら無事よ、私は。どうよ、チビガキ」


途端に強気、頭をかばっていた手を解き、ミヨちゃんすずいと前に出る。

小娘は首を捻って杖を見た。

横から下から、そしてチューリップのカタチの花の中を覗き、


奇声だろそれは。
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