季刊『お屋敷ハンター』
 肩に乗っかった小娘を、ミヨちゃんまるで虫相手にするようにはたき除けた。そして小娘も、やはり虫のように素早く飛んで避けていた。


「だってひとりになっちゃうモン。さみしいモン」

「汐崎、これ! 追い払っちゃってよ。さみしいじゃないわよ、アンタも。また寝てろっつの石ん中で」

「一度起きたらしばらく眠れないんだモン。そういう決まり、知らないのー?」

「知るわけないでしょ、私がなんで。ほら、汐崎やっちゃってよ」


いやぁ……。

「ミヨさん、今度からさ、センターとはきっちんと話をした方がいいと思うわ、オレ」

「なによそれ。意味わかんないんだけど」
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