17才
『カオル、』
おばさんの声が、あたし達の足を止めた。
どうしたのかと振り向くと、満面の笑みで立っているおばさんの姿がそこにあった。
『隣町のコンビニで飲み物買ってきて。帰りはゆっくりでいいからねっ』
それは遠まわしに
帰りは遅くなってもいいよという
おばさんからの優しさだった。
「わかったよ」
そうゆうとカオルは
ゆっくり、ゆっくり歩き出した。
いろんな思い出を思い出すように。
そして、新たな思い出を作り出すように。