17才



『カオル、』


おばさんの声が、あたし達の足を止めた。



どうしたのかと振り向くと、満面の笑みで立っているおばさんの姿がそこにあった。




『隣町のコンビニで飲み物買ってきて。帰りはゆっくりでいいからねっ』



それは遠まわしに


帰りは遅くなってもいいよという


おばさんからの優しさだった。





「わかったよ」



そうゆうとカオルは


ゆっくり、ゆっくり歩き出した。



いろんな思い出を思い出すように。


そして、新たな思い出を作り出すように。






< 61 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop