恋戦(ｺｲｲｸｻ)

呆然とする私に「莉寿ちゃん？」人当たりの良い笑顔を振りまく。

「えーっと…誰？」

瑠璃に救いを求めるが、瑠璃よりも早くその人物が答えた。

「始めまして。秋武大樹(アキタケヒロキ)です」

言った彼に、私は見覚えがあった。

無愛想な彼とは反対に、無駄に愛想の良い秋武くん。

秋武くんの後ろにいる新堂薫の存在に気付いた私は、教室で新堂くんに話しかけていたのが秋武くんだと思い出した。


ローテーブルを挟んで向き合う四人。

私の隣には瑠璃がいて、私たち二人の前には同じ様に並んだ新堂くんと秋武くん。

秋武くんはにこにこしているが、新堂くんはやっぱり不機嫌なオーラを発していた。

「あのー…説明、してくれる？」