恋戦(コイイクサ)
赤く染まった空を背に、私はトボトボと歩いていた。

長く伸びた影に視線を落とし、額にはじんわりと汗を掻いている。

どうすれば良いのだろう…。

私の口から漏れるのは溜息だけだった。

『友だち以上恋人未満なんだけど、正確には二人は付き合ってることになるからね』

隣を歩く新堂くんの顔を見上げると、相変わらず感情を読み取れない無表情。と言うか、不機嫌そうな顔。

そんな新堂くんと私は実際には違うけど、“彼氏と彼女”になってしまったのだ。

『新堂くんに女の子の友だちが出来たってバレたらどうなる?大変な事になるよ?』

確かにそうかもしれないけど…。

『私も仲良くなりたいって女が殺到するよ。そうしたらどうなる?新堂くん倒れるんじゃない?』

そうだろうと私も思うけど…。

『莉寿意外の女が新堂くんに近寄っちゃ駄目なの。だから、ね?』

…………。

新堂くんの彼女になっちゃて、私は安全に高校生活を送れるのでしょうか…。




< 27 / 52 >

この作品をシェア

pagetop