恋戦(コイイクサ)
瑠璃に半ば強引に、私を送るように言われた新堂くん。

そんな不機嫌な顔をするぐらいなんだったら、わざわざ送ってくれなくても良いのに。

そうまでして、友だち以上恋人未満になってまで、アレルギーを治したいのだろうか。

本当は違うけど、この男前な新堂くんが……

今日から私の彼氏。

じっと新堂くんの顔を見上げていると、ふとこっちに目線を移動させた新堂くんと目があった。

「…私の名前、知ってる?」

目を逸らすのは何故だか負けたような気がして、私は目を合わせたまま逸らすことなく新堂くんに聞いた。

「莉寿………御手洗莉寿」

「あ、知ってたんだ」

「………」

別に嫌味でも何でもなかったのだけど、あまりに関心なさそうだったから聞いてみたのだが、どうやら新堂くんにとってはそれが心外だったようで、その瞳が一層不機嫌な色になる。



< 28 / 52 >

この作品をシェア

pagetop