恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~


「先生はどんな願い事するの?」


「お前達生徒の幸せー。」


「真面目に聞いてるの~!」



こんな冗談も私にとったら宝物。

こんなに笑い合えるなんて幸せでこのままどっかに飛んで行きたい。

繋いだ手が違和感から自然へと変わった。





急に先生は真面目になり言った。


「色々あるけど、一番は試験合格出来ますようにだな。」



「試験?」

「そう、教員試験の事。俺臨時教員だろ?去年も落ちて、今年こそ合格したいんだ。」


「・・・そうなんだ。」


臨時教員とは知っていたけど試験勉強してるんだ・・・


「親が教師で、高校の時から漠然と教師になるんだなと思っていたけど、実際に大学入って真剣に取り組もうとしなかった。バドミントンばっかやってたしな。でも臨時教員になってみて俺には教師しかないとはっきり分かったんだ。」


先生の目は強く遠くを見ていた。



先生はどんな職業でも合うけど、教師が一番似合うよ。

だってこんなにも私を癒してくれる。

他の生徒だって一緒だよ。

先生の周りには生徒が沢山いて笑いが絶えない。

時には叱り厳しく、時には優しく・・・





そんな先生が私は好きです。


















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