恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~
乗り越える力
春になり私は16歳になった。
先生の居ない学校は急に淋しくなり、遠くを見る事が多くなった。
莉子とクラスが分かれてしまい、余計心の中の穴がポッカリと空いてしまっていた。
窓ガラスから見える桜の木はすでに花が散り若葉が芽生えている。
先生も見ているのだろうか?
いつの間にかそういう風に先生の事を想ってしまう。
もう終わったはずなのに・・・
「小春ーーー♪迎えにきたよ~。」
教室のドアから莉子が手を振る。
「あ、うん!」
鞄を持って教室を出る。
「ねぇ今日はどこ行こっかぁ??ん~、昨日はアイス食べたし、カラオケでも行くぅ?」
莉子が提案を出す。
「おっ♪いいですね~。歌いまくりたい気分だなぁ!」
そしてカラオケへと向かう。
こういう放課後が最近の私たちの日課。