恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~
体育館を出たらまた涙が溢れ出てきた。
誰もいない校舎で泣いた。
声を殺して泣こうとするけど、我慢出来なくて嗚咽してしまう。
今までの先生の顔が目に浮かんでくる。
ほとんどが笑っている先生。
私が好きな先生。
もうそんな顔も見れないんだね・・・
早く大人になりたかったよ。
そしたら私の事真っ直ぐに見てくれる?
生徒じゃなくて「女の人」として扱ってくれた?
先生の横を歩ける「人」が羨ましい。
先生と笑って泣いて、先生の人生の隣に居たかった。
私じゃない誰かと、これから先過ごすんだろうね。
最後まで飲めなかったブラックコーヒー。
一口も付けれなかったね。
きっとこの先、私はブラックコーヒーは飲まない。
苦い苦い辛い「恋の味」だから・・・