恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~
「いつでも遊びにこいよ」
先生は車の運転席の窓を開けて言った。
行かないよ。
心の中で何度も繰り返す。
「先生、元気でね」
私は精一杯の笑顔で手を振る。
ちゃんと先生の前で笑ってられてるのかな。
最後ぐらいいい生徒でいなきゃ・・・
あの時もそうだった。
先生は私の想いを知りながら最後まで先生だった。
ちゃんと向き合って欲しかった。
先生としてじゃなくて
一人の男の人としての答えが欲しかった。
先生、ずるいです。