恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~



校庭に戻りファイヤーストムの塔を作るため、廃材や使い終わったものを集める。

集めたものを塔として積み上げていくのだ。




日も沈み辺りは薄暗く、そこに火が入った。

”わぁ”と言った歓声と同時に軽快な音楽が掛る。


周りの人たちは踊ったり、はしゃいだりしてとても楽しげ。


文化祭委員はまだ残っているものを積み上げなくてはならない。




何処かで先生を探す自分がいた。

すぐに先生は見つかった。

先生を探すのはとても簡単で、いつも自然とアンテナを張りめぐらす。


先生は塔の中に廃材を投げ入れていた。






パチパチと炎が大きくなるにつれて一面も赤々と明るくなり、何とも言えぬ幻想的な雰囲気に作業の手が止まる。

燃え上がる塔を見ていると、




「ほらっ」


と持っていた廃材がグイッと引き寄せられた。


同時に私の手が相手の手と当たっていた。







!!!


先生!!





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