恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~
「ずっと君を見てたよ。委員会始まる前からね。だから何となく分かってた…」
「え…?」
「君が誰を見ているかは大体分かるよ。」
先輩は後片付けの手を止めずに続けた。
「でもこんなチャンス無いと思ったんだ。たまたま委員会で一緒になって話す事が出来て…」
「先輩…ごめんなさい。」
私は謝る事しか出来なかった。
「でも、さっきの藤沢先生と一緒にいる姿見て諦めたよ。」
先輩はフッと私の顔を見て笑った。
そして先輩はじゃあと言って去っていった。
先輩の私に向けた笑顔が、どこか哀しく淋しくて忘れられなかった。
私も罪悪感でいっぱいになり、自分のした軽率な行動に嫌気がさした。