夢みる蝶は遊飛する

メモに書いてあった物を次々とカゴに入れ、レジに並ぶ。

部費の入った封筒を取り出す時にちらりと腕時計を見ると、いつの間にか3時を回っていた。


「けっこう高かったね」


レジを済ませ、店のロゴの入った大きな袋を持って歩く須賀くん。

なぜか出口とは反対に、店の奥へと向かっている。

個人的に買いたい物でもあるのかと思いながらついていく。

すると少し歩いてから足を止めて、カウンターに先ほど買ったものを置いた。


「これ、夕方までお願いします」


そこはサービスカウンターで、どうやら買った荷物を預かってくれるらしい。

スポーツブランドのロゴの入った水色のポロシャツを着た爽やかな笑顔の女性店員に名前を聞かれて


「須賀です」


そう言って、彼は差し出された番号の書かれた白いプラスチックのプレートを受け取った。

そしてくるりとこちらを向いて


「行こっか」


と、緊張しているような少し固い声で、けれど口調は軽く、そう言った。

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