夢みる蝶は遊飛する
この脚が、いけないのだ。
もう使い物にならないこの膝が。
だったら切り落としてしまえばいい。
跡形もないくらい、切り刻んでしまえば。
狂気をはらんだ瞳は、なにも映してはいない。
いや、膝ではない。
そもそもの原因となったのは、この私自身だ。
他人を不幸にすることしか出来ないこんな命など、きっと誰も必要としていない。
そう、死んでしまえばいい。
手首に走る動脈を切り裂き、鮮血を溢れさせれば、きっと死ぬことができる。
右手でしっかりとカッターを持ち、左手首に押し当てた。
瞳をきつく閉じて、右手に力を込めた。
不思議と、恐怖は感じない。
迷いは、なかった。