夢みる蝶は遊飛する

たくさんの出来事が重なりあって、そのひとつひとつがもたらした結果によって私が今ここにいるのだとしたら。

すべては偶然などではなく、必然なことなのかもしれない。

ただ、すべて必然であるならば、母の悲しい死も、父の苦しい決断も、いつから決められていたことなのだろうと考えてしまう。

誰かの手によって、故意に運命がねじ曲げられたのかとさえ。


わかっている。

ひとつ要素が足りないだけで、私はここにはいなかったのだということは。

十分すぎるほど、理解している。


けれど、得たものの大きさと、失ったものの重み。

それらを比べるのは、そんなに愚かなことだろうか。


失ったものを、もう取り戻せないものを、それでもまだ名残惜しんで振り返ってしまうことを、誰が笑えるというのだろう。

私は、湖面を揺らした雨の雫を探して、必死に水底を覗き込んでいるわけではない。


だから、もう少し。

傷を負った痛みに浸らせて。




私は日常を取り戻しつつあるけれど、時折こうして自分を異質なものだととらえてしまう。

それは以前と変わっていない。


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