夢みる蝶は遊飛する

「フィンランドは白地に青い十字だと思う。
正解はね、スコットランド」

「スコットランド?」

「イギリスの連合国のひとつだから、ユニオンジャックもよく見ると、青地に斜めの白い十字が入ってるよ」


感心したように何度も頷く彼に、続きを話す。



「次の三行ね。
悲劇の女王、これは流れを考えても、スコットランドの女王だってわかると思うけど。その国で、悲劇の女王なんて言われたのは一人しかいないの。
メアリー・ステュアート、メアリー一世」


悲劇の女王と呼ばれた人物は何人も存在する。

けれど、その言葉をインターネットなどで検索すると、ほとんどがメアリー一世についてのページにたどり着くのだ。


「メアリー一世が損なおうとしたのは“栄光あるもの”って書いてあるけど、それは誰のことかわかる?」


先ほどと同じ表情をして考え込んだあとに、諦めたように表情をゆるめて彼は首を振った。

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