夢みる蝶は遊飛する

聞けば、私が来る前に会議室に部員たちを全員残して桜井くんだけは外に出て、なにか作業をしていたのだそうだ。

そして数分後、隣の部屋からベランダを通ってやってきて、窓から会議室の中に戻ったらしい。

たぶんそれは、キーを設置して暗号を貼っていたのだろう。



「この、汝は私のことを言ってるのかなって思って。だとしたら、紅は紅の魔女に関係があるって思ったの」


バスケ部の中で、私が紅の魔女と呼ばれるチームの一員であったことを知っているのは、須賀くん、桜井くん、舞、そして薄くんだ。

その事実を利用してこの暗号が作られていることに気づき、やはり暗号の作成者は桜井くんなのだと確信した。



「紅の魔女がそう呼ばれてる理由は、ユニフォームが紅いから。そこに浮かび上がっているものは、って考えたら、すぐにわかったよ」


伝統的な真紅のユニフォームには、学校名の“kamigaoka”と背番号が記されている。


私の背番号は、6番だった。


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