夢みる蝶は遊飛する

「つらい思いをしている人に自分を重ねて、私もこうだった、こんな気持ちになったって共感して、心の中で自分を哀れんで。いつまで被害者面してるんだろうって、自分でも思うんです。
でも、どうしたらいいのかわからない・・・・」


声に涙が混じった。


私の過去や現在を先生が細かく知っているわけもないのに、話しはじめたら止まらなかった。

涙も、また。


「もう傷つきたくないって思いながら、どんどん傷つく方に向かってるのは自分なんじゃないかなって。弱ってる人に寄り添ったつもりになって、傷を深めるのはわかってるのに。それで、案の定傷ついたら、どうして私がって、いつも・・・・っ」


支離滅裂だけれど、浮かんできた想いをそのまま言葉にしていった。

たまに聞こえる相槌だけが、今の私の世界だった。



「私は悪いけど、悪くないって思い込もうとする。たくさん乗り越えてきた私は、この中で一番だって・・・・っ」


自分の中の汚い感情をさらけ出すのは苦痛だ。


それでも、誰かに聞いてほしかった。

ただ、聞いてほしかったのだ。


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