夢みる蝶は遊飛する

「言いたいことだけ言って、逃げたのは私が悪いから。しかも、怪我をした人の気持ちは誰よりもわかる、なんてみんなには関係ないようなことまで」

「そのことなんだけど・・・・。あ、いや、後で話すよ」


彼がなにかを言いかけてやめたことが気になったけれど、彼の言うとおり後で聞けるのだろう。


「それで、ふたつめなんだけど。
・・・・私、大会までのあと三日、練習に参加しないことにするね」

「え!? いや、そこまでしなくても!」


思ったとおりの反応に首を振る。


「最後に迷惑かけちゃうけど、一年生もたくさんいるから、大丈夫だと思う。一緒にいたら、私また必要ないことまで言うかもしれないし、いる方が気を遣わせるような気がして。岡田くんも私も、気持ちを整理した方がいいと思うし」


これは、逃げではない。


「・・・・亜美ちゃんがそうやって言うんなら、正しいんだろうね」


桜井くんは、それでも私の意見を受け入れてくれた。



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