夢みる蝶は遊飛する
「「昨日のことだけど・・・・」」
私と桜井くん、ふたりの話しはじめる瞬間が、ちょうど重なってしまった。
タイミングがいいのか、悪いのか。
「あ、いいよ。亜美ちゃんが先に言って」
いつもなら私はこういう場合には必ず譲り、互いに譲り合いになって話がはじまらないということになってしまうのだけれど。
今回は、先に言いたかった。
「ありがとう。じゃあ、私から」
手に持っていたものを胸に抱きながら、話しはじめた。
「まず、ひとつめなんだけど、昨日はごめんなさい。口を出すつもりはなかったんだけど、どうしても言いたくなっちゃって。しかも、勝手に飛び出して・・・・」
「ううん。俺がもっとちゃんと岡田を止めれば良かったんだ。なのに俺も、これからのことで頭がいっぱいで、なにも言えなくて」
頭を下げながら言うと、彼も慌てて同じことをした。