夢みる蝶は遊飛する
「えっ! うそ!?」
私が静かに想いを告白したというのに、彼の素っ頓狂な叫び声で雰囲気をぶち壊された。
思わず脱力しかけたけれど、そういうところが彼らしい。
どこか抜けていて、しまらなくて。
けれどいつもは優しげに細められている瞳が、ふとした瞬間に真剣な眼差しへと変わっていたりする。
彼の表情を、感情を、もっともっと知りたいと思った。
「嘘じゃないよ。待たせてごめんね」
「本当に嘘じゃないの? 俺が急かしたからじゃなくて? 今のやっぱり無しとかダメだよ!?」
そこまで彼を疑心暗鬼にさせているのは、やはり私が待たせてしまったからだと思うと、申し訳なさが募る。
「須賀くんに先に言われなくても、私は今日言うって決めてたから。後で無かったことになんてしない」
それは本当のことだ。
いつか伝えようと思いはじめてから、今日のこの日に決めるのに時間はかからなかった。