旦那様は社長 *②巻*
「その日出物産に勤めてたんだ……オレ」
「え?」
敬吾があの日出物産の社員だった?
驚くあたしに敬吾は更に言葉を続ける。
「それだけじゃない。
あの日出物産を経営していたのは……
……オレの両親だよ」
「……っ!?」
衝撃の事実にあたしは、ただ驚くばかりで言葉を失った。
当時、日出物産は日本でも指折りの大企業で、経済界にも大きな影響を及ぼしていた。
そんな日出物産が倒産し、グループ企業もバタバタと倒れていったことで、日本経済が大きく揺れた時のことは記憶に残っている。
確かあの時、社長が会見もせずに行方を眩ませたことで『責任問題』という言葉が世間を飛び交ったことでも話題になった。
その大企業を経営していたのが、敬吾のご両親だなんてーーー…
「信じられない……」
それにあたしは結婚の挨拶の時、敬吾のご両親と顔を合わせている。