旦那様は社長 *②巻*

すごく優しそうなご両親だったことを覚えてる。


あたしの親が他界していることを伝えると。

『じゃあ私たちをこれから実の親と思えばいい。光姫さんはもう私たちの娘も同然だから』

なんて優しく微笑みながら言ってくれた。


あたしはその言葉に、それまでの緊張の糸がプツンと切れたのか、優しさが胸に染みたのか、涙が止まらなくなって2人の前で泣いてしまったんだ。

でもーーー…


「あの時、結婚の挨拶をした時にどうして日出物産のこと言ってくれなかったの?」


挨拶に行ったのは、倒産する半年以上も前だったのに。


「あの頃からもう、会社の経営状態はよくなかったんだ。なんとか立て直そうと皆必死だったけど。

……ああなることは予測できていた」


敬吾は悲しげにふっと微笑みながら続ける。


「だから……本当は親父もお袋も、光姫との結婚を大反対していたんだ」


「え?」


「『結婚だけは絶対に許さん!!』って言われて毎日ケンカの繰り返しだったな」


当時のことを思い出したのか、敬吾が1人笑っていたけど、あたしは笑えなかった。


『娘も同然』


そう言ってもらえたことが何よりも嬉しかったのに……本心は違っていた?

あたしは……望まれない嫁だったの?



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