旦那様は社長 *②巻*
その答えは簡単に頭に浮かんだ。
「ヤラレタ……」
「え?」
「普通、仕事相手を騙すか?」
「なんのこと?」
信じられない展開に、少し戸惑いながらも笑みがこぼれる。
「ねぇ、悠河?」
光姫は未だに気づいていない。
オレたちがハメられたことに。
不安そうに首を傾げる顔がとても可愛い。
そして、かなり久しぶりに感じる光姫の柔らかな感触。
正直、男としてもそろそろ限界だった。
いつも、手を伸ばせばすぐに抱きしめられる距離にいたのに、そうすることができなかったもどかしい日々。
だけどもう、終わりにしたい。
「ゆ、悠河!?」
両手で光姫の顔を持ち上げ、頭に、おでこに、瞼に、頬に優しくキスを落としていくと、ものすごく驚いた顔をされた。
「ふッ、変な顔」
「悠…河……」
「なんで泣くんだ」
「だって……ッ」
「ん?」
「ずっと…こうしてほしいって思ってたのに……、悠河が遠かったんだもん」
光姫はポロポロと涙を流し、小さな肩を震わせながら、オレの胸にしがみついた。