旦那様は社長 *②巻*

ここ数日続いていた晴天が嘘のように、その日は朝からどしゃ降りの雨だった。

まるでこの後の出来事を暗示しているかのように……。


悠河の運転する車の助手席で。

いつもは洋楽好きの悠河がセレクトしたリズミカルな音楽が流れる車内。


だけど今日は、忙しく動く車のワイパー音だけが聞こえる。


あたしたちは手を繋いだまま、お互いの体温を感じながら、加速するお互いの鼓動を落ち着けていた。


いつもは渋滞している道路も、朝早くて交通量が少ないせいか、今日は流れが早い。


もっとゆっくり今の悠河との時間を過ごしたいのに……

どうしてこんなにもあたしたちを病院へと急がせるんだろう。


やっぱり美姫が呼んだのかな……。


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