旦那様は社長 *②巻*


「もしもし…はい…え?今からですか?…いえ、15時までであれば…」


ーー15時まで?


「はい…では……ピッ」


携帯を切ったと同時に、ガックリと肩を落とした社長。


「はぁぁ……」


そのため息は深かった。


きっと……

また面倒なことを言われたに違いない。



「社長?どうかしましたか?」


「…会長が…今からここに来るらしい…」


「え?…それだけですか?」


ここに来るだけ?


……なんでそれだけで、そこまで落ちてるんだろ?


仕事で会社を訪れることなんて、今までだって何度もあったのに。


「しゃ、社長?」


あたしのカラダに腕を回し、肩に頭を落としたままの社長。



そして

しばらく続く沈黙。



あたしを抱きしめているのに、珍しく手を出してこない。



……って、別に手を出してほしいわけじゃないんだけどね?



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